終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-┊感想

※2022.1/27 べったー記載分

 

 

「終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-」終わった~!
想像の何倍も面白いお話しだった。読み応え抜群、長すぎることもなく飽きさせない作りで、製作側の気合いを感じた。乙女ゲーマーしてきていまだにこんなに感動できる作品に出会えるなんて幸せ!!


終ヴィルのおすすめポイントは、以下3つ!


①読み応えのあるストーリー
②美麗スチル
③魅力的なキャラクターと声優さんの演技力


ストーリー重視の乙ゲーマーさんにはぴったりだと思う。
逆に糖度重視、キャラとの楽しい時間やキュンキュンする瞬間がたくさん見たい人、ハピエン厨の人には向かないかも。あと血とかグロ描写、陰鬱な雰囲気とかがかなり苦手な人にもおすすめはできない。少しでも気になる人はやってから後悔してほしい…やらずに後悔するのはもったいない作品(圧)あとネタバレの宝庫だから絶対踏まないようにしてほしい。何も知らずにプレイして!!!!
スチルに関しては文句のつけどころがないくらい綺麗で、お気に入りのスチルを毎日崇め奉りたいレベルのクオリティ。続きが気になって止まらない手を止めてしまうほどの美しさ。読さんファンは絶対やるべし!!
キャラはサブキャラ含めて全員良かった。推しはシアンだったけど、攻略キャラはみんな好きだし、幸せになってほしい。公式ブログによると圧倒的ツッコミ不足らしいけど納得。お酒よわよわの年長リライバーさん可愛すぎる。

ただ絶望的な展開が続く作品かと思いきや、その中にある小さな幸福だったり希望だったりをより強く感じられるもので、アルペシェールの現状を通して自分ならどうするか、どう考えて行動するかを考えさせられる、メッセージ性の高い作品だと感じました。


以下はネタバレの為注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

攻略順は【マティス→リュカ→シアン→イヴ→三幕】
がちがちの攻略制限あるから選べるのは最初の三人のみだけど、だんだん謎が明かされていく展開を好むならマティスは一番最初がおすすめ。リュカとシアンは逆でもいいかもしれない。


マティス
見た目が天使みたいに儚げで綺麗な子。まさかの人造人間。
このルートでの事件は個人的に結構苦手なタイプで、読んでて思わず絶句することが多かった。非人道的すぎるうえに、女性が関係する事件だからリアルに想像してしまって見ててぞっとした。想い人がいなくなってしまったことで、元は素敵な恋愛感情があんな歪な形になってしまう怖さがすごかった。マティス救済エンドは、こんなのみんな好きじゃん選手権トップ3にくるはず。何度出会っても貴方に恋をするっていうあれだよ、好きだよね~わかるよ~!!!!


●リュカ
めちゃくちゃ癒しの存在かと思いきや、あんたが死刑執行人だったなんて~~~~~!この正体だけでも絶望なんだけど、あまりにも可哀想すぎる絶望展開続きで見てられなかった…。大切な妹のために選択を間違えなければ良かったのかもしれないけど、最良の選択なんて難しいよ、あんな状態で。ナディアをある意味人質にとられ、洗脳されて、やりたくない殺人をして…周りから先生と呼ばれるリュカからは想像できない姿だった。死刑執行人だったリュカと、死神と呼ばれるセレスには明るい未来は難しいのかもしれないけど、マティスの救済エンドを見た後だっただけにあのエンドは泣いた。救済ってどんな意味だったっけ…?でもものすごく好きだった。


●シアン(推しだから長い)
シアン・ブロフィワーズ…名前から既にかっこよすぎる。
シアンのキャラクター紹介を見て、あの見た目と「天才科学者」「リライバーとして長い年月を生きている」「感情はバグだと思っている」のポイントからこりゃあ…好きだな…ってなったんだけど、如何せん担当声優がhsyさんだったから悩むことになってしまい…。今まで好きなキャラの声を担当していたことがなくて…。声優さんが好きなゆえに、好きになるキャラの声を担当する傾向のある声優さんを把握してるから、脳が勝手にhsyさんなら推しじゃないかもって失礼ながらに思ってしまっていた…。でもプレイした結果一番好きだったから、この価値観は捨てた方がいいと新たな学びを得た。事前情報で推しを決められる人、ものすごい能力だから自覚して……!!!!!
シアンは乙女ゲームによくある、近くにいられる役割に抜擢される王道展開だったから「はい、待ってました~!」ってなって、ウキウキが止まらず、ときめいたりにやにやしたり、比較的楽しく進められたお話しだった。個人的にイヴと同じくらい乙女ゲームしてる感あったかも。(終ヴィルの中では)(ここ重要)
ただの雑用係から「俺の」雑用係になっていくのがたまらないのよ…。そして最終的には「未来の伴侶となる女」になるなんて、感情はバグだって思っている人が感情、それもこの世界で消えてしまう恋愛感情を抱いていくのがもう最高の展開でしかない。見た目が23歳だけど、中身は長年生きてきた男だから結構接触が多めのスキンシップシーンあるかなと思ってたら、控えめなあのキス………ギャップに殺されたのは私だけではあるまい。セレスと出会った時の「自分」の信念を貫いて、新しく生まれた自分になって最初に恋をするならお前がいいって告白をしてくるシアン様(思わず様呼びになる程の興奮)、新しい考えを受け入れつつも、自分の信念に落とし込むかのような生き様、これ打っててシアンへの愛が止まらなくなってる。ものすごく愛、伝えてきてくれるじゃん…。セレスのこと大好きかよ?????実際、子どもは最低でも二人作るつもりでいるしな…それを他人に言うからね。惚気まくりの天才科学者かわいすぎて無理だ~~~~!!!!!!
それゆえに絶望エンド(で合ってる?)がむっちゃくちゃ切なくて無理……。地雷って意味の無理ではなく、セレスと一心同体になったわけじゃないですか…なんかもうまったく幸せではないんだよ。実際シアンもあのスチルで泣いてるし…。でも死に別れではないっていうのが、また切なさと絶望がうまく混ざってすごく良い。死に別れだって悲しいけど、傍にいるのに会えないし、触れられないっていう、ある意味生き地獄というか、どんな形でも傍にいるのを二人が喜んでいるわけではないっていうのが、今後の未来を想像するとシアンが壊れちゃいそうだなって感じた最後だったかな。辛いけど好きなの!あのエンド!!!
救済エンドは、シアンルートの全てがシアンの最後辺りの台詞に詰まってる気がして締めくくりとして最高だった!神として国の呪いを解き明かしていくけれども、セレスの前だけではただの男になるよっていう…うわあ、やばい。セレスと出会って神が一人の人間、人を愛するただの男になっていく様、同時に死神と呼ばれたセレスもただの女として愛され生きていく…拍手喝采!!!!!(スタオベ)
二人の子ども見たい…(突然)男の子生まれたらセレスの取り合いでマジになりそうじゃない?めちゃくちゃ想像できる。セレス似の女の子が生まれてめちゃくちゃ親馬鹿になるんだよ…それ以上に妻への溺愛っぷりがすごいと噂になるんだよ…。FD…FDをくれ……。いや、絶対無理だな、話の展開的に(白目)


●イヴ
シアンルートが神と死神の「神同士の恋」だとしたら、こっちは王道な「王子と姫」の恋物語っぽさある。運命。博愛のイヴがただ一人だけを愛するのがたまらない。狂気的にも感じる博愛は、あの真っ直ぐで誠実なイヴの性格だからこそより歪に感じられた。
セレス奪還でのアドルフとの別れが辛すぎる…。
万能の神ではなく人に堕ちたことをシアンに指摘するシーンがあまりにもかっこよすぎて、感動のあまり泣いた……!!!!かっこよすぎると人は泣く。守護者である自分のものだと公言するシーンは名シーンですよ……。


●三幕
アドルフとアンクゥが三幕って形でなんで一緒にされてるのか、始めた時点では途中で分岐するのかなくらいに思ってて…。まさかの同一人物!!!!!!(厳密に言うと違う)
うわ~~~~~~~!!!!!!これはさすがにわからない!!!!!乙ゲー歴があるゆえに攻略キャラは全員異なる人物だと勝手に擦り込まれてたから、その発想には至らなかったよ。思わず声出たよ。
セレスが生まれてくるまで島の毒に耐え続けるアンクゥの叫び、めっちゃくちゃしんどくていまだに忘れられない。Oktさんすごすぎませんか…??????
笑っちゃいけないんだけど、必死に「死の番人」になりきってるんだと思うとちょっと面白いよね。物陰に身を潜めてるのかわいすぎる。
冒頭のセレスと出会うシーン、見返すとあの時どんな想いでいたんだろうって胸がしめつけられる。全てわかった上でアンクゥの行動や発言を振り返ると、最初に感じたのとはまったく別の意味に感じられる。
アドルフはセレスの義兄だったし、攻略順的にかなり特別な存在かと思ってたら、外から来た「普通の人間」っていう、アルペシェールではその普通が「特別」っていう面白い描かれ方をしてるキャラだった。これも予想外で、実はアドルフがループしてる系男子だと疑ってた時もあったくらい(笑)あながち間違ってもいないところがなんかもう怖い(笑)
最後アドルフは「終焉」、アンクゥは「終遠」で、同じことでも別の意味っていうのはこの二人を表わしているようで好きだった。


長く語っちゃったけど、このお話し本当に色々考えさせられて、冒頭のアルペシェールのことやリライバーの説明とかを読んで、最初はすごい設定だなとか面白いなとか思ってたのが、読み進めるうちに段々とそれが当たり前になっていってる自分がいて…。リライバーになって帰ってくるのに違和感を抱いていたのに、そういうものだと受け入れてたし、呪いに関してもそういう呪いがある国なんだねって思い始めてて、………怖くない?アルペシェールの国民と同じ考えになってるんですよ………。アドルフやリアムが言っていたように、まるで【死】に堕落した国民なんだよ。すごくハッとさせられる瞬間が多かったよ。
自分の現状を他人のせいにして、平和を甘んじて享受して、自ら原因究明もせず、ただただ生きていくっていう、現代社会にも通ずるものがあったよ。リライバーになるために自分のことしか考えず、感情も引き継ぐことができず生まれ変わっていく姿は、なんだか他人ごとに思えなかったです。


色んな形の「絶望」を感じさせてくれた作品だったけど、一番は死神と呼ばれる主人公が、科学で証明できる本当の死神だったってことかな!この手のお話し、本当はそうじゃなかったって展開も多いのに、正真正銘の死神でしたって辺りすごいね。

新たな彼らが見たいけど、たぶん…無理だよね…一部難しいからね……。
でも願いたいよね。どうか、どうか、何卒…。